ホーム > スタッフブログ

募集要項

2016年2月8日(月)12:49≪第15話≫ バンダラ先生のインドネシア情報局 【インドネシア語 リーディング学習のコツ】

Selamat siang semua!! (皆さん、こんにちは)

 前回は、日本人が特に苦労するインドネシア語の発音とその工夫について取り上げました。今回のテーマは「リーディング学習のコツ」になります。どのような方法で読解力を鍛えるかについてお話しします。
 「読む」といえば、皆さんは何を思い浮かびますか。私は「文字」と「本」を思い浮かびます。どうして「文字」と「本」なのかを考えてみました。読むは「文字」という媒体を使って「情報」を受信するプロセスだと思うからです。また、「文字」が集まって「単語」、そして「文章」になり、「文章」が集まって「本」になるからです。外国語の学習においても読解力を伸ばすには「文字」や「単語」の理解が不可欠だと思います。
 スピーキングでは、「情報」を発信するのに対してリーディングでは「情報」を受信するのです。つまり、スピーキングでは「発信元」として私たちは自分のレベルに合った単語や表現を選択できます。しかし、リーディングでは「受信元」として私たちは単語や表現を選択することができません。そのため、リーディングを練習するには、自分の語彙力に合う読物を選ぶのが大切です。初級のレベルではテキストを音読する練習から始めると良いと思います。初級のテキストはほとんどCDが付いているのでネイティブの発音を真似て音読すると読解力がアップします。また、文章の構造を意識しながら読むことも大事です。文章の構造を意識し、勉強した文法の理解がさらに深まります。
 そして、レベルが上がれば読物の範囲も広げると良いと思います。なるべく自分が好きなものや興味のあるものを中心に読むと良いでしょう。例えば、旅行が好きな方はインドネシア語で書かれているガイドブックを読み、読解力を磨きながら観光の情報も取得できます。また、自分が知っているキーワードをインドネシア語の「Wikipedia」で読んで読解力を鍛えることができます。インドネシア語で情報を発信するTwitterやFacebookをフォローし、最近の流行りを楽しみながらインドネシア語の読解力もアップします。さらに、インドネシア人の友達を作って文章でやりとりをするとライティング力もリーディング力も同時に鍛えられます。上級のレベルになればインドネシアの新聞や小説に挑戦すると良いと思います。
 「インドネシア語の書籍を読みたいけど本屋さんに行ってもあまり置いてない 」とよく耳にします。そこで、皆さんに紹介したいのは、「Buku Sekolah Elektronik (http://bse.kemdikbud.go.id/buku/kurikulum2013)」(電子教科書)というサイトです。このサイトでは、インドネシアの学校で使用されているテキストのpdfが無料公開されています。インドネシア語を始め数学、理科、社会、等々のテキストがあります。ぜひ、皆さんの好きな分野のテキストをダウンロードし、読んでみてください。
 次回は、インドネシア語のリーディングの難しいところとその工夫について書く予定です。

2016年2月1日(月)20:45≪第14話≫ バンダラ先生のインドネシア情報局 【インドネシア語の発音】

Selamat siang semua!! (皆さん、こんにちは)

 前回は、インドネシア語のスピーキング学習のコツとしてリスニング力を鍛える重要さとネイティブスピーカーと会話することを取り上げました。今回は、スピーキングを上達させるように日本人が特に苦労する発音とその工夫について解説します。
 インドネシア語を勉強する際に、まずはアルファベットの発音が紹介されると思います。そこで、インドネシア語の母音「e」の発音が二つ存在する事が最初の発音の壁になるでしょう。一つ目の発音は日本語の「エ」同じですが二つ目の発音は「エ」の口の形で「ウ」の音を出すという発音です。この「e」の発音を区別するルールはなく覚えるしかありません。カタカナが表記されるテキストでは二つ目の発音を「ウ」と表記されますがその発音に満足せずに「エ」と「ウ」の間の発音を練習すると良いでしょう。
 子音の発音の中で日本人にとって最も難しいものは「l」と「r」の発音でしょう。なぜならば日本語ではこの二つの発音を区別しないからです。「la」と「ra」と言う発音は異なりますがカタカナで表記すると「ラ」になってしまいます。「lを発音する時は、舌先を上の歯ぐきに押し当てることがポイントです。一方、「r」を発音する時は、巻き舌にするのがポイントです。私の経験で、日本人は「l」の発音を問題なく発音しますが「r」の発音は巻き舌を意識しすぎて不自然に聞こえてしまうケースが多いです。そこで、「r」を発音する時にあまり力を入れずに軽い巻き舌で発音すれば良いと思います。
 次に日本人を悩ませる発音は「n」と「ng」です。カタカナで書くとどれも「ン」で表記されますが実は日本語でもこの二つの発音は存在します。「安藤」と発音する時に「n」を発音するのに対して「暗号」と発音する時に「ng」を発音するのです。「安藤」と「暗号」をゆっくり発音して比較してみましょう。「アンドウ」の「ン」を発音する時に舌先は上の歯ぐきにくっつくのに対して「アンゴウ」の「ン」を発音する時にくっつかないことに気づきましたか。それがインドネシア語の「n」と「ng」の発音の違いです。
 インドネシア語の単語の語末は子音で終わるものが多いです。例えば「父」を意味する「bapak」は「バパッ(ク)」と発音するのが正しいですが「ク」も発音してしまう日本人が多いです。他の例だと「4」を意味する「empat」は「ウンパッ(ト)」と発音するが正しいですが「ト」まで発音してしまいます。語末が「b,d,k,p,t」の単語を正しく発音するには、語末の「ブ、ド、ク、プ、ト」の音を出さずに「ッ」で止めることを心がけましょう。例えば、sebab(理由)「スバッ(ブ)」の「ブ」、murid(生徒)「ムリッ(ド)」の「ド」、sedap(おいしい)「スダッ(プ)」の「プ」の音を出さずに発音してみてください。また、「夜」を意味する「malam」のように「m」の語末を持っている単語は最後に口を閉じると正しく発音できます。さらに、「学校」を意味する「sekolah」のように「h」の語末を持っている単語は最後に軽く空気を流すと正しく発音することができます。
 初級のレベルでカタカナを書いて発音を覚える方は多いと思いますが発音を上達させるには少しずつカタカナへの依存度を下げてリスニングや会話と組み合わせて発音を覚えることをお勧めします。次回はリーディング学習のコツについてお話する予定です。

2016年1月25日(月)20:42≪第13話≫ バンダラ先生のインドネシア情報局 【スピーキング学習のこつ】

皆さん、Selamat siang!! (こんにちは)

 インドネシアの紹介は先週で終わり、今週からはインドネシア語の学習についてお話します。今回と次回のテーマは「スピーキング学習のコツ」です。インドネシア語のスピーキング力を伸ばす方法について書きたいと思います。
 外国語を勉強している人は誰でも早くその言語で話せるようになりたいでしょう。上手に外国語を話せるにはリスニングは欠かせないものです。何か新しい言葉を勉強するときに、私たちはその言葉を自分の中で理解している概念と結びつけ、その言葉の発音を耳で聞いてから口にするのです。しかし、私たちの耳には母国語というフィルターがついています。そこで、聞き慣れない外国語の発音を聞き慣れている母国語に置き換え、正しく発音しているつもりでもなかなか上手に発音ができません。私も日本語学校の初級クラスにいた頃は、覚えた日本語を生活の中で実践しようと試みましたが、なかなか相手には聞き取ってもらえないという経験をしました。
 この壁を乗り越えるためには外国語を聞く機会を増やし、自分の耳についている母国語のフィルターを和らげることです。またレベルに合わせたものを聞くことが大切です。初級ではレッスンを録音し、レッスンで勉強した単語を次回のレッスンまでに復習をしたり勉強しているテキストのCDを聞いたりするのは効果的だと思います。レベルが上がれば聞く範囲を広げても良いと思います。例えば、インドネシアの音楽を聞いたりインドネシア語の映画を観賞したりするのも良いと思います。
 もう一つ大事なことは、ネイティブスピーカーと会話をして、間違っている部分を直してもらうことです。私は毎日のように日本語の先生や寮母さんと会話をし、間違っている部分を直してもらいました。日本でインドネシア語を勉強している皆さんは週1のレッスンや独学で勉強している人が多いのでインドネシア人と会話する機会は少ないでしょう。現地に友達がいる人はインターネットの電話などを利用して会話する機会が増やせると思います。基本的にインドネシア人は話すのが好きなので会話をするのは大歓迎です。インドネシア人と出会うには様々な方法がありますが、その一つとして都内の大学の学園祭に行くことをおすすめします。例えば、東京大学の五月祭、東京工業大学の工大祭、東京農業大学の収穫祭、等々があります。学園祭ではインドネシア人留学生が模擬店を開いたり、インドネシア文化の紹介をしたりしています。インドネシア人留学生と出会うだけではなくインドネシア料理も食べられると思うのでぜひ足を運んでみてください。次回は、インドネシア語の発音を中心にお話する予定です。

2016年1月18日(月)18:36≪第12話≫ バンダラ先生のインドネシア情報局 【インドネシアのスポーツ事情】

皆さん、Selamat siang!! (こんにちは)

 今年の大イベントといえば8月にブラジルで開催されるリオデジャネイロオリンピックですね。南米初のオリンピックで世界中の選手たちはどんな戦いを見せるのかとても楽しみです。インドネシアの選手が出る種目ではインドネシア人を出ない種目では日本の選手を応援します。今日はインドネシアのスポーツ事情についてお話します。
 インドネシアで最も人気のあるスポーツはサッカーです。インドネシア人はサッカーをするだけではなく観戦するのも好きです。都会ではスタジアムやフットサルコートでやりますが、田舎だとその辺の空き地で子供から大人までサッカーをする様子が見られます。また、インドネシアのリーグだけではなくイタリア、イギリス、スペインのリーグもテレビで生中継されます。世界的に見るとインドネシアのサッカーチームは強くありませんがインドネシア人は弱いとか強いとかではなくサッカーが好きで楽しんでいます。あまり知られていませんが、実はインドネシア代表チームはワールドカップに出場した事があります。1938年にフランスで開催されたFIFAワールドカップでオランダの植民地だったインドネシアは東インドとして出場を果たしました。東インドチームはオランダ系の選手は多かったですがキャプテンに抜擢されたのはインドネシア出身の「Achmad Nawir」という医師です。初出場を果たした東インドは1回戦でハンガリーと対戦し、0対6で負けてしまいました。

サッカーの次に人気のあるスポーツはバドミントンです。これまでのオリンピックでインドネシア選手はバドミントンの種目で18個のメダルを取ったことがあります。私が高校生の頃は、2004年アテネオリンピックで男子シングルスの金メダルを取った「Taufik Hidayat」選手が非常に人気でした。最近は男子ダブルスの「Hendra・Ahsan」ペアとミックスダブルスの「Tontowi・Lilyana」ペアが人気です。

 インドネシアでは4年毎に開催される「Pekan Olahraga Nasional (PON)」という州対抗の総合スポーツ競技大会があります。次回のPONは西ジャワ州のバンドンで2016年に開催される予定です。インドネシアの伝統的な武術はPencak Silat(プンチャック・シラット)です。基本的にプンチャック・シラットは素手、素足で攻撃を行いますが短剣や籐の棒という武器を使う場合もあります。私は小学のときに、授業の一環としてプンチャック・シラットをやっていました。
 日本では高校野球をはじめ高校サッカーなど学生が活躍できるスポーツ大会はたくさんありますが、インドネシアではあまり盛んに行われていません。日本の学校ではグラウンド、体育館、プールという設備が揃っていますがインドネシアでは全部揃う学校は少ないです。私が通っていた中学校はバスケットコート2個分とフットサルコート1個分のグラウンドがあり、人気のある部活はバスケット部でしたが私はテーコンド部に入っていました。高校ではテニスコート1個分のグラウンドしかなく、様々な部活が交代して練習で使っていました。このような状況のため、学生がスポーツに打ち込む機会は少ないので才能あるスポーツ選手に成長する人は少ないと言えます。
 日本人と比較したらインドネシア人はあまり運動しません。高校まで体育の授業は週に2時間ありますが大学に入ると運動する機会がなくなります。日常生活のなかでも歩いたりする事は滅多にありません。東京で電車を利用する人は乗り換えなどで毎日数キロは歩いていると思いますが、インドネシアではバイクや車で移動する事が多いのです。私も高校を卒業してからバイクを乗るようになり、数百メートルの距離でもバイクに乗るのは当たり前でした。日本に来て、元気に山登りをしたりテニスをしたりするご年配の方を見て私は驚きました。なぜならば、インドネシアでそのような光景は見たことがないからです。インドネシアでは年をとると足腰が弱くなり、家で過ごすことが多いためスポーツどころか街中で歩くのはあまりありません。健康を維持するためにはこんな便利な世の中でも常に体を動かすことを意識することは大事だと思います。

※写真は子供達がサッカーをやっている様子と州対抗総合スポーツ競技大会(PON)の開会式です。

bola pon

2016年1月12日(火)20:26【インドネシアの政治事情】

 皆さん、Selamat tahun baru!! (新年明けましておめでとうございます)

 皆さんはどのようにお正月を過ごしましたか。インドネシアでは元旦のみお休みなので平日であれば12月31日も1月2日も仕事です。そのため、日本人のように故郷に帰ったり旅行に行ったりする人は少ないと思います。インドネシアの大晦日といえば花火の打ち上げです。日付が変わると至るところで花火が打ち上げられます。
 今日はインドネシアの政治についてお話します。インドネシアは大統領制を採用する民主主義国家です。大統領は5年に一度行われる総選挙で国民によって直接選出されます。これまでインドネシアでは11回総選挙が行われました。初めての総選挙は独立してから10年が経った1955年です。この選挙はスカルノ大統領時代に行われ、172の政党が参加し、比較的に自由な選挙でした。第2回から第7回までの総選挙はスハルト大統領時代で行われ、政府による厳しい統制と介入がありました。スハルト政権が崩壊後、1999年に行われた第8回の選挙以降は民主的な手続きがとられるようになりました。そして第9回の選挙から大統領の直接選挙が導入され、スハルト政権のような長期の権力保持を防止するために大統領の任期は2期10年と定められました。
 インドネシアの国民は政治に対して非常に高い関心を持っています。32年間のスハルト時代に政府に対して自由に意見が言えなかったという背景もあると思います。そのため、選挙活動の時期になるとお祭りが行われるような雰囲気になります。私が住んでいるところだと、自分が支持する政党の旗を家の前で挙げたり集団で政党の色のTシャツを着て街中にパレードを行ったり大きなスタジアムに集まって政党の代表のスピーチを聞いたりします。また、インターネットが普及している現代はSNSで選挙の話で盛り上がり、異なる政党を支持する人たちが喧嘩する事もあります。
 投票日になると国民は積極的に投票所に行き、投票をしています。インドネシアでは文字が読めない人がいるので国会議員選挙の投票用紙には政党の名前だけではなく政党のマークも載っています。さらに、大統領選挙の投票用紙には各立候補者の名前と写真が載っています。投票はどのように行われるかというと投票用紙の政党マークや立候補者の写真に釘で刺します。そして、同一人物による複数投票を防止するために投票所を出る際にインクの中に指を入れないといけません。選挙のために作られたインクなので消えるまでに数日かかります。海外にいるインドネシア人も投票ができます。2014年の選挙で、東京と大阪に投票所が設けられ、来られない人は郵便で投票する事ができました。
 インドネシアの国民は政治に対して高い関心を持っていますが民主主義の国家としてまだ未熟なところはたくさんあります。選挙活動で自分たちの政策を訴えるのではなく現政権の方針を批判する事が多いです。また、票を集めるために有名な芸能人やスポーツ選手を候補者にする事も少なくありません。さらに、選挙活動に参加してもらうように有権者に食料品、帽子、Tシャツを与える事もあります。そして自分に投票してもらうようにお金を渡すという違法行為をしてしまう候補者もいます。格差社会のインドネシアでは厳しい生活や教育も受け入れられない人にとっては政策なんてどうでも良いのが現実です。その結果、政治に関わった事もない、政治のこともあまりわからないという候補者たちが当選する事があります。インドネシアを民主主義大国にするには政治に対する関心だけではなく政治の教育が必要です。

※写真は選挙活動のパレードと選挙のインクに指をつける様子です。

kampanye tinta

2015年12月21日(月)14:47≪第10話≫ バンダラ先生のインドネシア情報局 【インドネシアの経済事情】

皆さん、Selamat siang!! (こんにちは)

 今年も残りわずかですが皆さんにとって2015年はどんな年でしたか。私は、年末になると「今年の漢字」の発表を楽しみにしています。インドネシアでは一年間の出来事を一文字で表現する習慣はありません。私自身の今年の漢字は成長の「成」です。なぜならば今年は多くの新たな経験をし、一歩成長した年です。
 今回はインドネシアの経済事情についてお話します。国内総生産GDPからみると2014年のインドネシアは日本のGDPの2割で約8千億ドルです。世界のランキングからみると16位です。ここ数年、インドネシアの経済が注目され、リーマンショックが発生したときにも成長率4%台を維持する事が出来ました。インドネシアの経済を支えるものは二つの柱があると思います。
 一つ目の柱は、2億5千万人世界4位のインドネシアの人口です。さらに人口の約半分1億2千万人が労働人口です。この10年は政治の安定もあってインドネシアの経済は成長し、インドネシア人の中間層が増えました。平均所得も増加し、インドネシア人の購買力が経済の支えになっています。インドネシア人は欲しいものを買ってしまうという癖があります。例えその欲しいものの値段が自分の収入より高くても借金をしたりローンをしたりしてまで買ってしまいます。家計から考えるとこれはよくない癖ですが国家の経済から考えると買い物が増えれば増えるほどお金が回って経済に良い影響を与えるのです。インドネシアでよくあるパターンとして、大学を卒業後数年間働いて20代で結婚をします。子供ができたらバイクや車そして家を購入します。もちろん一括で購入できる人が少なくローンで購入します。実際にインドネシアにいる私の同期もそのようなパターンで生活する人が多いです。その結果、インドネシア人の大部分の支出は借金やローンを支払うために費やされます。
 二つ目の柱は、インドネシアの豊かな天然資源です。赤道に沿って東西に広がるインドネシアでは、天然ガスをはじめ、石炭、鉱物に恵まれています。また、一年中を通して日光を浴びるインドネシアは農業のためには最適な場所です。さらに、インドネシアの国土面積の3倍もある広大な海域から多種類の水産物が取れるのです。しかし、インフラや投資不足のせいでこの豊富な資源はまだ開発されないものが多いです。これまで資源を加工せずに輸出する事が多かったですが最近は雇用を拡大するために生の資源の輸出を禁止する法律が作られました。インドネシアで加工する工場を建設し、インドネシア人の雇用拡大が狙いです。
 インドネシアの経済は政治が大きく影響します。政治が安定すれば経済も安定して成長すると思われます。しかし、政権交代が発生したらこれまでの経済方針は変更され、新たな方針が導入される事になります。また、インフラの不足がインドネシアの経済成長の足止めになります。道路、鉄道、空港や海港が不足しているため物流は大きな負担になります。さらに、労働人口の生産力を最大限に発揮するには教育が不可欠です。仕事に対する意識や誇りはまだ低く、キャリアアップのため転職する事も日常茶飯事です。今後の経済を成長させるにはこれらの課題を解決する必要があると思います。
 今回は今年の最後のコラムになりますが来年もよろしくお願いします。
 では、Selamat menyambut tahun baru (良いお年を)

※写真はインドネシアの通貨のルピアです。

rupiah

2015年12月14日(月)14:50≪第9話≫ バンダラ先生のインドネシア情報局 【インドネシアの宗教】

皆さん、Selamat siang!! (こんにちは)

 今日はインドネシアの宗教事情についてお話しします。まずはインドネシアの宗教の割合を見ていきましょう。2010年の国勢調査によるとインドネシアの宗教割合は、イスラム教88.18%、プロテスタント系キリスト教6.96%、カトリック系キリスト教2.9%、ヒンズー教0.72%、仏教0.05%、儒教0.13%です。現在のインドネシアの宗教は、インド、中国、アラブ、オランダ、等々からの商人の影響が大きいです。
 2〜4世紀頃にヒンズー教と仏教が入り、その影響でスマトラ島、ジャワ島、カリマンタン島にヒンズー教や仏教の王国が建設され、至るところに寺院が建てられました。多くの寺院は今でも残っており、その中で最も知られているのが世界最大級の仏教寺院のボロブドゥール寺院です。
 その後14世紀にはインドやアラブの商人によってイスラム教がインドネシアに入りました。イスラム教が広まるとヒンズー教や仏教の王国が弱くなり、イスラム教の王国が建設されました。これまでヒンズー教と仏教の影響で成熟してきたインドネシアの文化はイスラム教と混ざり合う事になりました。例えば、wayangという人形を使う影絵芝居は、もともとインドから入ってきたヒンズー教・仏教の話でしたが、イスラムの話が追加されイスラムの教えの拡散手段として使われました。一方で、インドネシアの古いモスクにもヒンズー教・仏教建築の強い影響が見られます。
 カトリック系のキリスト教はポルトガルの商人、そして、プロテスタント系のキリスト教はオランダの商人によってインドネシアに入りました。ポルトガルとオランダの植民地政策によってキリスト教が拡散されました。
 
インドネシア人の信仰の自由は、憲法によって守られています。17歳になると住民登録証(KTP)が発行されますが、その住民登録証に宗教という項目があり、国が認める6宗教の中から1つの宗教を記述する義務があります。こんな話をすると自由がないとよく言われますがこのような制度は国民を縛るためにあるのではなく、平和に暮らすために宗教による混乱を防止するためです。日本では相手の宗教を聞く習慣はありませんが、インドネシア人の間では普通に聞いたりします。小学校の時から学校で宗教の科目を受けるので誰が何教なのかわかります。相手の宗教を聞く事で相手に配慮する事ができます。
 もしあなたが、インドネシアを訪れる機会があったら、日常生活の中にある宗教を実感する事ができます。たとえばイスラム教徒の多いインドネシアでは至るところにモスクがあり、お祈りの時間になるとお祈りを呼びかける「adzan」が流れます。また、キリスト教の人は日曜日になると教会へ行き、ヒンズー教徒の多いバリ島では毎日お供えを行います。各宗教のイベントはその宗教を信仰する人々を尊重するために休日になっています。モスクの隣に教会があったり隣の人が異なる宗教を信仰したりするのは珍しい事ではありません。インドネシア人に会ったときに「あなたの宗教は何ですか」と聞かれたらびっくりしないでくださいね。

※写真はヒンズー教・仏教の影響を受けたKudusモスクとジャカルタの最大モスクの前に最大の教会がある風景です。

istiqlal_katedral kudus_mosque

2015年12月11日(金)19:36≪第8話≫ バンダラ先生のインドネシア情報局 【インドネシア人の国民性】

 皆さん、Selamat siang!! (こんにちは)

 島国のインドネシアでは300を超える民族が住居しています。民族によって言語をはじめ習慣、文化、価値観が異なります。地域ごとに民族が集住する傾向はありますが、移動手段が発達している現在は同じ地域に様々な民族が生活している事が一般的です。特にジャカルタ、バンドン、やスラバヤのような大都市ではいろんな民族が混ざり合って生活しています。例えば、私は小学校から高校までジャカルタの郊外で過ごしましたが、学校ではジャワ島のジャワ族やスンダ族はもちろんスマトラ島のパダン族やアチェ族、そしてスラウェシ島のマカサル族、バリ島のバリ族、等々のクラスメートもいました。クラスでは、民族も宗教も肌の色も違うというのは当たり前の事でした。「多様性」に慣れているインドネシア人は、「柔軟性のある」国民性と言えます。
 
 インドネシア人は相手を見て合わせる事には慣れています。このような特徴はインドネシア語にも現れます。インドネシア語の「人称代名詞」で1人称と3人称に比べて2人称の種類の方が多いです。よく使われている1人称のsaya(私)、3人称のdia(彼・彼女)に対して、2人称ではAnda(あなた)以外にbapak(年上の男性用)、ibu(年上の女性用)、mas(若い男性用)、mba(若い女性用)、saudara(同い年用)、等々が存在します。初めて会う人には、相手の出身地や趣味を聞く事で相手に合わせる話題を作ったりします。人と喋ることが好きなインドネシア人はできるだけ長く会話をキープするために、お互いの共通点を探って会話を続ける事が多いです。また、フレキシブルなインドネシア人は変化に対して抵抗せずに受け入れます。インドネシア語に外来語が多く見られるのはその影響があると言えるでしょう。
 
 しかし、その柔軟性はコインと同じように表と裏があります。柔軟すぎるインドネシア人は何かを計画するのはあまり得意ではありません。その時の流れに任せる事が多く計画がコロコロ変わる事は普通です。これは個人レベルの事だけではなく政府レベルでもよくある事です。例えば、数ヶ月前はAという手続きをするためにBという書類を提出すればよかったのに今はC、Dという書類を出さないとAという手続きができなくなります。私が一番実感しているのは、日本人と一緒に旅行に行く時は事前にどこへ行くか計画を立てるのですが、インドネシア人と一緒に旅行に行く時は、計画せずにとりあえず行ってから決める事が多いです。
 柔軟性のあるものといえばゴムですよね。インドネシア語で「jam karet」という言葉がありますが直訳すると「ゴムの時間」です。つまり、時間がゴムのように伸び縮みするのです。インドネシア人は時間を守る人が少ないです。ほとんどの人は「jam karet」で待ち合わせ時間よりも15分〜1時間遅れてしまう人が多いです。ジャカルタで定番の言い訳はmacet(渋滞)です。
 最後にインドネシア人とどう接したら良いかについてお話しします。柔軟性のあるインドネシア人は基本的に付き合いやすいと思います。インドネシア人と付き合う上で大切な事は「伝える」事だと思います。日本では当たり前のこと、言わなくてもわかる、遠慮で口にしない事が多いですが、インドネシアでは言わないと伝わりません。「こうして欲しい」などがあれば相手に言って伝える事が重要です。

suku-bangsa-nusantara

2015年11月30日(月)12:48≪第7話≫ バンダラ先生のインドネシア情報局 【インドネシアの教育事情】

皆さん、Selamat siang!! (こんにちは)

先週から急に寒くなりましたね。熱帯国で生まれ育った私にとって最も辛い季節がやってきます。インドネシアにいた時は、四季に憧れましたが実際に体験するとやはり大変です。現在、インドネシアでは長引いた乾季がようやく終わり、雨季に変わってきています。雨季に変わると夕方になれば空が暗くなり、雨が降り出します。私が住んでいるところは2千メートルの山が近くにあるので雷がゴロゴロとよく落ちます。

 さて、今日はインドネシアの教育事情についてお話します。まずは、学年の開始月ですが、日本は4月で欧米は9月に対してインドネシアは7月から始まります。もともと学年の開始月は1月でしたが1979年から制度が変更され、7月になりました。理由は、12月から1月にかけて雨季のため毎日雨が降っているので休み中の子供達が外で楽しく遊べないからです。また、年度末と時期が被ってしまい、教育制度の計画が立てにくいからそうです。インドネシアの教育制度は日本とほとんど同じで、小学校6年と中学校3年と高校3年です。義務教育も9年ですが、昨年の政権交代から12年に引き上げるように計画されています。インドネシアでは、小学校から高校まで制服があります。シャツは基本的に同じ色で白いですが、ズボンやスカートの色が変わります。小学校は赤色で中学校は紺色で高校は灰色です。また、各学校に柄が異なる「batik」の制服があります。
※batikとは特にジャワ島が有名な、ろうけつ染の布地の事をいいます。サロンやスカーフなど多様に使われ、ユネスコの無形文化財にも指定されています。

 小学生に入学するのは6歳からとなっていますがあまり厳しくされていないので5歳から入学する人もいれば7歳に入学する人がいます。インドネシアの教育は詰め込み教育です。小学校の1年生から算数や理科などを勉強し、毎日計算の練習をしたり暗記ものをしたりしています。各学期に期末試験があって、その一学期の成績は担任の先生が「raport」という成績表に記入します。期末試験の一週間後ぐらいに「ambil raport」という成績表を取る日があって各生徒の保護者が学校に来ます。また、学年の終わり頃に進級試験があり、ある基準の成績を収めないと進級できず留年してしまいます。また、学校によって飛び級という制度もあり、小学校が5年で中学校が2年高校が2年になります。成績が優秀な生徒達しか飛び級のクラスに入りません。また、日本の学校にはない科目があります。それは「宗教」という科目です。一週間に2時間だけですがその宗教の時間になると宗教別に分かれて授業が行われます。
 高等教育機関は5つの種類があり、Universitas(総合大学)、Institut(専門大学)、Sekolah Tinggi(単科大学)、Politeknik(ポリテクニック)、Akademi(アカデミ)です。学士課程をS1(エス・サトゥ)で修正課程をS2(エス・ドゥア)で博士課程をS3(エス・ティガ)と言います。高等教育機関に進学できる人はまだまだ少なくて2014年の時点で14%を下回るそうです。つまり、18歳〜23歳の人口の86%は進学できないという結果になります。進学できない最大の原因は経済的な事です。
 インドネシアの階級社会の中で上の階級に行くために教育が一つの手段として使われています。そのため、学位を取ればその学位を名前につける習慣があります。例えば、工学の学士を取得すると「Sarjana Teknik」の略「S.T.」を名前の後ろにつけるのです。今度、インドネシア人から名刺をもらう機会があれば名前のところを見てみてください。

※写真は制服です。手前は小学生、真ん中は中学生そして、奥に見えるのは高校生です。

seragam sekolah

2015年11月24日(火)13:56

皆さん、Sudah makan ? (もうご飯食べた?)

 インドネシアで「Sudah makan ?」と人に聞くのは挨拶代わりとして使われています。現地の人に「Sudah makan ?」と聞かれたら軽く「Sudah・もう食べた」と答えれば良いです。インドネシア料理といえば皆さんは何を思い浮かべますか。様々な人にこの質問をしたことがありますが、定番の答えとしてでてくるのはNasi goreng(チャーハン)やMie goreng(焼きそば)でした。Nasi gorengやMie gorengが日本人に知られているのは嬉しいことですがインドネシア料理の認知度はまだまだ低いなと気づきました。
 パンや麺を食べても白ご飯を食べない限り、食事をしたとは言わない程インドネシア人は白ご飯が大好きです。その影響もあってインドネシアのKFCやマックにはご飯のメニューがあります。インドネシアの食卓には白ご飯そして白ご飯に合う様々なインドネシア料理が揃います。インドネシア料理と言っても一言で説明するのは難しいです。なぜならば島や民族によって料理の特徴が異なるからです。共通点としてあげられるのは、どの料理も新鮮な香辛料を使っていることです。代表的な香辛料は唐辛子、シャロット、ニンニク、レモングラス、タマリンド、ウコン、キャンドル・ナッツ、等々があります。インドネシア料理の調味料はどのように作られるかというとCobekと呼ばれる石臼を使って様々な香辛料を細かく刻んでペースト状になるまですりつぶします。もちろん料理によって香辛料の種類や香辛料の量も違いますがペースト状になった調味料からNasi gorengやmie gorengのような料理を作ります。BBQをやるときも前日に肉や野菜に香辛料で下味をつけてから焼きます。
 日本の食堂へ行くと必ずテーブルで置いてある物というと醤油ですがインドネシアで必ず置いてある物はSambal(チリソース)です。家によってこのSambalの味が異なるので日本で言うお袋の味です。さらに、いつもSambalと一緒に置いてあるのはKecapです。この「Kecap」は日本語のケチャップと同じ発音なので意味が異なるので要注意です。「Kecap」は所謂大豆から作られていて見た目は醤油にそっくりですが味は甘口でどろっとしています。インドネシアのレストランで「ケチャップが欲しい」というとこれが出てくるので日本のケチャップが欲しい場合「トマトソースが欲しい」と言ってください。
 Nasi gorengやmie goreng以外に、インドネシアを代表する料理はたくさんあります。2011年の「The world’s 50 best foods according to CNNGo readers」でインドネシア料理のrendangが選ばれました。Rendangとは西スマトラのパダン民族の料理の一つで香辛料とココナッツミルクで煮込んだ牛肉料理です。パダン料理の特徴は口から火が出るほど辛いです。全てのインドネシア料理が辛いわけではありません。例えば、ジャワ民族の料理は甘口の物が多いです。ジョグジャカルタの郷土料理、Gudegがその一つです。Gudegは未熟のジャックフルーツをココナッツミルクとスパイスで煮込んだ料理です。西ジャワ州に住居しているスンダ民族の料理はさっぱりしたものが多く日本人に好まれると言われています。代表的な料理は豆腐または魚をバナナの葉っぱに包んで蒸した「pepes」という料理です。スラウェシ島のマナド料理は唐辛子を使ったdabu-dabuソースのような激辛料理がたくさんあります。小さな島々が集まっているマルク諸島では海鮮料理が有名です。インドネシアの最東端のパプアではとうもろこし、さつまいも、サゴを主食として食べる習慣があります。
 飲み物に関して、紅茶やコーヒが定番ですがどれも砂糖が入っていて甘いです。また、果物が豊富なインドネシアではフレッシュなジュースが至る所で飲むことができます。そして、世界最大のイスラム人口国であるインドネシアでは、Halal(ハラール)料理は重要なことです。スーパーに置いてある物はハラールマークが付いています。インドネシア料理の味は日本料理と異なりますが一度食べたら虜になると思います。

※写真は「Cobek」という石臼と世界的な賞を取った「Rengdang」です。

06-cobek rendang